『赤のキヲク』監督
押山清高
昨年、監督した映画の公開を通じて、世界中から大きな反響をいただき、私にとっても特別な一年になりました。
そして、今の自分があるのは、多くの人との関わりや、恵まれた環境があったからこそだと改めて実感することが増えました。
2011年の東日本大震災当時、私は東京で仕事をしていましたが、福島で被災した家族や大切な人たちのために、何もできなかったという思いがあります。
その経験から、東京で創作を生業にできている今の自分の状況は、ある意味で、大切なものの犠牲の上に成り立っているのではないかという気持ちを抱くようになりました。
今回の『赤のキヲク』は、そんな自分の中にあるモヤモヤした想いを、何らかの形で吐き出す手段として制作したアニメーション作品です。
私にとって、福島で生まれ育った20年間は、消えることのない多くの原体験を作り上げた時間でした。
本作では、そうした自身の実体験をもとに、故郷を離れた一人の女性が、自分の原点を振り返る物語を描いています。
福島を知らない方には、その存在を知るきっかけに、また、福島に限らず誰にでもある「自分の原点」に思いを馳せ、忘れかけていた大切な何かを再確認する機会になれば幸いです。
『赤のキヲク』予告編
\ ふくしままっぷ友の会 公式インスタグラムもチェック!/